大阪への出張から帰ってきたら退職願がOより出されていた。
2月12日に辞める予定が、1月31日付になっている。居づらくなってしまったのだろう。
便箋11枚の私宛の手紙も添えられていた。
私への感謝と不満が綴られていた。
書かれている内容を読んで、気持ちは分かるから、Oが見ていたもの、感じてたものについて異論はない。
正直な心情吐露だと思う。
Oとは、優遇してた、優遇されていなかった、というところで、施術者の立場からと経営者の立場からの視点で、お互いの思いにズレが生じてしまったのだ、と思う。
私の仕事は、お客さまが集まってくる場づくりだと考えてやってきた。
スタッフには、働きがいと時間的な余裕と金銭面での待遇、この三つの観点から働く場を改善してきたつもりである。
ナカメサロンを作った頃は、社会保険も健康保険もなかったくらいだったのだから。
最低こなして欲しい人数は提示していたけれど、いつ何時間働くかは、本人が決められるようにしていた。
金銭面での待遇も、Oの昨年の年収は1000万近くで、半分以下のスタッフが何人かいる中で決して悪くはなかったと思う。
歩合給だからそれだけ働いた結果だと言われてしまったが、こうした業界で、お店のスタッフで、それだけもらっている人はいないし、それだけ出せる所もまずないと、公認会計士にも弁護士にも言われるくらいだった。
それでも他の何人かのスタッフと引き比べて、優遇されていたのは他のスタッフだという見解だった。
他のスタッフの気持ちも分かるし、私なりに経営的な視点で考えてのことだったから、Oの気持ちは分かっていたけれど、思うようにはしなかった。
後知恵であるが、今思えば、もっとねぎらいや話し合いが必要だったかもしれない。
昨年の7月頃には辞めることは半分予想していた。
後でブログ手当を支給して公式ブログにしたけれど、私に黙ってナカメサロンでの出来事を記事にし始めていた。
ナカメの公式なメールアドレスではなく、個人的なメールアドレスでナカメのお客さまとやり取りを始めていた。
発覚したときには本人は否定したが、Web業界に詳しい人に訊くと、それはお客さんの囲い込みのためですね、と言われたのだ。
そんなことがあっての辞める宣言だったから、弁護士にも相談した上で、こちらの見解を伝えた。
辞めるにあたってしていけないこと、されてはいけないことをはっきりさせておきたかったからである。
感謝してくれていることがあるのも分かるし、不満が解消しなかったのも分かる。
長い付き合いだったからお互い功も罪もあっただろう。
しかし、もう辞めてしまった。
ナカメの本流から別れて、自分の考えでお店を作ることに踏み出した。
すでに自分なりに作り上げた技術もあるし、新しいお店にOを慕って集まってくれるお客さまもいるのだから、私と比べたら順調な滑り出しだ。
これから未体験の経営的な問題にもぶつかるだろう。
守られていた部分があったのにも気づくかもしれない。
気丈に見えて、何気に泣き虫なところもあるから大丈夫か?とも思う。
しかし、元気で明るい前向きなOのことだ、何があっても乗り切っていくだろう。
お客さまを大事にするOだから自分のお店も繁盛するに違いない。
最後に、頑張れよ、と激励して、別れを告げたい。
※これは個人の感想です。成果や効果を保証するものではありません。