3号店で、ナカメの新しい施術法「皮よせ」を実践している須田から、「皮よせ」開発のヒントを与えてくださったT先生へのメール。
T先生
おはようございます。須田です。
さて、大阪から帰ってきて約2週間経過しました。
翌日から頭を触っていたのですが、先日お送りしたメールとまた違う手順でやるようになったのですが、この2週間、器械を使っていません。
さすがに1日に15人以上みていると手がつかれます。(笑)
まず、タワーで大腰筋を整えていただきながら、あおむけで頭を触ります。
このとき、前頭骨あたり、またはカチューシャターン、そして、OCFの歪みをみて、そろえていきます。
タワーの時間30分、頭を触る時間は正味5分ほどです。
次にうつ伏せになっていただき、足のねじれをとります。
うつ伏せになった状態で内側に脚が巻いている方はさらに巻くようにして、そのうつ伏せ5分のブルブル時間に頭の後頭骨をさわります。これも5分くらい。
そしてうつ伏せのままで、骨盤まわりから上半身、首にかけて、行きやすい方向に手で動かします。
そして、あおむけになっていただいて、両足の皮を向きにしたがってゆるめます。
その時に、肋骨、仙骨、脛骨等に歪みがあるときは、歪みの方向にゆるめるように手で施術します。
これで大体のお客様はすっきりされてしまうのですが。。。。
頭骨も、足も、へこんでいるところは、その凹みを伸ばすように両手でひっぱると戻るような気がするのですが、気のせいでしょうか?
また、出っ張っているところは周りからお山を作るようによせていくといい気がします。
頭を触るときに、先日もいいましたが、私は番地がわかっていません。
また気になっているところをさらさらとさわるので、大体の番地は見てますが、基本4ラインを触っているからといって4に徹底するわけでもなく、気になったところをゆるゆるとやっているだけなんです。
頭を触っているときに、つむじもちろん大事なのですが、つむじでなくても頭の前も後ろもいろいろなぐるぐるをもっているお客さんがいることに気づきました。(笑)
でも、そのぐるぐるも一つひとつその向きにしたがって触っていると気持ちよがられます。
お客様はみんなその正解方向の向きがわかるので、毎回確かめながらやっていると、楽しみながら受けてくださいます。
とまあこんな感じですけど、
やっぱり番地にこだわらないといけないですよね〜。
という質問です。
よろしくお願いします。
T先生からの返信。
須田先生
こんばんは。
一日15人のお客様を調整されている須田先生は、スーパーパワフルです。(^?^)
でも、これまでたくさんの方の体を触って来られた須田先生だからこそ、私なんかより、体の読みや、筋肉も使ったアプローチの奥深さ等がありますから、番号は、それほど、必要ではないかもしれないと考えています。
要は、人生の中で、打撲して、ロックになっている箇所を、元の形により近い形で、復元できればいいので、須田先生が仰っている通り、そこかしこに、つむじのようなロックがあるので、それは回転で緩めればいいですし、大きなクレーターは、中央に向かって緩めれば、かなり改善します。
この方法だと、本人さんが、とても楽な方向が分かりやすいですし、本人さんが自分でやっても、ソフトタッチなので、リスク少ないです。
タワーの説明をして頂いた時に、もっとよく耳を傾けていたらよかったと思いますが、とても、効果的な方法なのですね。
また、前頭骨、後頭部、前後の打撲によるロックをとってから、つむじロックをとる、また、体の調整している間に、マクロの視点で体をみて、ミクロに打撲痕をとっていかれるので、とても、なめらかな調整で、きもちよ〜く整って行くのが見えるようです。
既に、須田先生方は、確立されたものをお持ちですので、もう、完璧にマスターされているように思います。
この調整がハマりだすと、ほんとに気持ち良くて、すいすいなんです。それは、調整をする側、される側、双方ともに、実感がありますので、それをバロメーターにして頂くと、間違いななんてないと思います。
番号にこだわっていません。番号より、むしろ骨や筋肉の配置や働きを、内臓とのかかわりなどを知っていた方が、やりやすいように思っています。
番号は、バランス対応がでている場所を探すには有効ですし、豆レベルで、歪みを探す時には有効です。どうしても、取りきれない痛みや違和感があるときには、有効のように思います。
須田先生方は、調整されているお客様の数が違うので、私たちの方が、まだまだ経験、勉強不足のように思っています。もう、逆に、教えて頂くのは、私たちの方かもしれません。色々と、勉強になっています。
有難うございました。
とあった。
使われている用語は専門的なので分からないかもしれないが、雰囲気はつかみ取れるだろう。
この「皮よせ」の原理を考え始めてから連想が止まらない。
須田も一緒になって、筋肉の代償作用や機能不全を重要視するエゴスキューという運動療法を勉強している。実際に自分でも行うし、理論的なことも学んでいる。
身体を個別の部品ではなくユニットとしてとらえる考え方だ。その関係でしった「アナトミートレイン」という書籍で、身体がテンセグリティ構造になっているのを知った。筋肉の張力が統合されて骨格を支える働きをしているという。
骨格調整から見れば骨の歪み。骨の番地でどこが歪んでいるかが分かる。それを筋肉調整側から見れば代償作用による張力のアンバランス。同じことを別の角度から見ている。
そう考えるから、歪みを診るのに筋肉の張り具合を観る。あるポーズを取ってもらったり、動かしてもらったりする。そうやってみて筋肉の張り感があるところは、骨か筋肉がおかしい。歪みの在り処を身体が教えてくれるようになったのである。
だから、骨格調整法では骨の番地を重要視するけれど、
頭を触るときに、先日もいいましたが、私は番地がわかっていません。
ということが、却って良かったのではないか、と思っている。須田曰く、頭の皮を動かしているうちに、そのお客さまの歪みの方向が浮き出してくる、と。骨の番地にこだわっていたら気づかなかっただろう。
骨の番地を駆使するT先生に教わったやり方は、骨膜に作用しているということだった。
ナカメ的には、いろいろ調べたり連想したりしているうちに、働きかけるのは、どうも中ではなく外だということになった。皮膚そのもを動かせばいいことに気がついた。皮膚をある方向に動かせば、筋肉の張りは取れるし、骨すら動く。
皮膚がポイントと分かって、さらにいろいろ連想していった。
アナトミートレインというのは筋筋膜経線のことで、中と外との違いはあるけれど、東洋医学でいう経絡(いわゆるツボは、体表上の経絡上に配置されている)によく似ている。
しかも鍼灸の最初の作用点は皮膚ではないか。皮内針という皮膚だけに刺す針もある。小粒の金属玉ですら効果があるとして市販されている。キネシオテープも皮膚に貼るだけだ。
3号店でも、最近では、ツボに貼って痛みを取ったりするパッチというものを使っているが、それも皮膚に貼るだけ。何かの薬品を皮膚から吸収させている訳ではないのに、瞬間的に痛みが消える。アンチエイジング効果もあるといわれる。
そうした諸々のことを連想していった上での仮説である。科学的にどうか。それは分からないけれど、確かに再現性があるのである。
どんどん実験もしている。
ナカメのためにサラダランチをメニューに加えてくれた「ビストロ ハムサ」のシェフの身体を以前から研究材料にさせてもらっている。体調不良で、一日立って仕事をしていると、たまらなく脚が痛くなる、ということだった。だったら試してみる?ということから始まった。
骨格調整法ではイマイチ良くならなかったのが、この「皮よせ」施術法を須田が施すようになってから、急速に良くなっている。効果の持続力もあるから、月に数万使っていた整体や針の費用はゼロになって、全く行かなくなったそうだ。
先日、月1回のナカメグループの研修会でも「皮よせ」を披露した。
愛媛から2人、静岡からも3人の参加。それぞれに独自な整体の技術を持っている人たちだ。そこで「皮よせ」施術法を初披露。須田は、ナカメのスタッフを含め13人に施術をして、やり方を見せた。
早く帰ってやってみたい、と。
その5人も「皮よせ」の速効性に驚いたのはもちろんのことなのである。
※これは個人の感想です。成果や効果を保証するものではありません。